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ご父兄の皆様、いつもお迎えをはじめ多くのサポートをありがとうございます。

それをなくしては、僕は定期的に生徒たちに会うことができません。立場は少し違いますが、この場をお借りして感謝の気持ちをお伝えさせてください。生徒たちに会うたびに、その満ち満ちたエネルギーを受け止め、どうはね返そうかと、心も身体も総動員して毎回のクラスをしています。今日はおさらい会ということですので、パフォーマンスはあえて気取らず、飾らずにしました。いつものクラスの様子をそのままを見ていただこうと思います。

そのかわりと言ってはなんですが、僕のユリコバレエスタジオへの溢れる想いを、この紙面にて記させていただきたいと思います。現在、僕のみている最小学の2年生たちに、僕は「コンテちゃん」と呼ばれているようです。「どうして?」と聞くと「コンテンポラリーダンスの先生だから」と。かわいいですね。でも実際には、そんなにコンテンポラリーダンスを重視していません。僕が重視しているのは「身体(からだ)の仕組み」と「創作すること」です。バレエを踊るにも、コンテンポラリーを踊るにも必要不可欠な「身体」。もっと言えば一生付き合う自分の「身体」です。その仕組みについて、一人一人が持つそれぞれ違った「身体」を持っていることを前提に、骨や関節の関係性について調べたり、試したりするクラスをしています。また「創作すること」ついては、バレエ作品もコンテンポラリー作品もどちらにも最初に創った人がいます。誰かが何かのために創り、それが受け継がれ残っています。ですので、コンテンポラリーダンスを学ぶ上では、踊ってみるのと同時に創ってみるのが良いと考えています。完璧なものを作る必要はなく、とりあえず、ただ創ってみるだけで十分です。

この2つを組み合わせると「表現」が生まれます。身体を使ってみて「どうやったら何ができたか?」できたものを「どうやって伝えたいか?」「誰に?」など、そこから様々な目的とそれに伴う工夫が生まれます。この目的や工夫を自分自身で生み出すことが、コンテンポラリーに限らずバレエにも大事なのです。こういうことは「表現力」や「想像力」とも言われ、若い頃には身につきやすい感性の領域です。(もちろん大人になってから身につく人もたくさんいます!)

ユリコバレエスタジオはとても温かな教室です。それは由里子先生が、生徒一人一人を本当によく見ているからだと思います。僕のクラス後はいつも長いミーティングをしていて「今日はどうだった?」ということはもちろん、「今、この子(生徒)はこういう時期で」とか「こんな壁に出くわしている」など、先生から教えてもらいます。僕の方では、「ではこんなヒントを与えてみましょう」とか「次はこのステップですね」など、個々の顔を思い浮かべ提案をしています。ミーティングはいつも深夜に及びます。笑。

成果、結果を最優先に求められる世の中ですが、こういった過程(プロセス)にこそ、バレエや芸術の本質が宿るのだということは、由里子先生と僕の共通点です。最近は、結果ありきで大事なことを教えない(または教えられない)バレエスタジオはたくさんありますし、それこそ日本のバレエの成長を損なっていると感じてます。本来の芸術としてのバレエは、豊かな感性が必要不可欠であり、それを育むには温かな土壌が必要なのです。ユリコバレエにはこの温かな土壌があります。生徒たちが、バレエを通じて「表現力」や「想像力」を兼ね備えた、豊かな人間(またはダンサー)に成長してほしいと願っています。そして、そのお手伝いができたら、僕の願いも同時に叶うと考えています。長文にわたり失礼いたしました。お読みいただき、ありがとうございます!

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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ユリコバレエスタジオに馳せる想い - 振付家・青木尚哉さんの記事

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