Q1 コンクールの想い出
 

初めてのコンクールは小学校4年生の春でした。「海賊」のアリを踊りましたが、最初から最後まで何一つ出来ていない状態で出場したも同然で、たくさんお金をかけてお笑いビデオを一つ作っただけでしたね…笑
 

Q2 コンクールで得たもの
 

舞台度胸であったり、テクニックを習得するまでのプロセスであったり、体調管理であったり、楽屋や会場でのマナーであったり、コンクールを通して学んだことや得たことはたくさんあります。自分の場合は、コンクールに出るというきっかけがなければ集中してバレエに取り組む機会もなかったと思いますし、特に僕は身近にバレエ男子が少なかったこともあって、コンクール会場で出会う男性ダンサーにいつも刺激をもらっていましたね。
 

Q3 コンクールは自分の今の人生にとって必要だったか(コンクールがなくても今の自分がいたかどうか)
 

僕はNBA全国バレエコンクールでスカラシップをいただいて留学したので、もしコンクールに出ていなかったら今と同じ道を辿っていたかどうかは分かりません。また、2の項でも書いたように、コンクールに出て入賞する、スカラシップをいただくというような目標があったからこそバレエと真摯に向き合い、集中して取り組むことができたと思います。なのでコンクールに出ていなかったら、単純に今より下手だったと思います。
 

Q4 コンクールに出場する人たちに伝えたいこと

 

コンクールは競うものではありますが、だからと言って「5回転できたから1位」「3回転だから6位」というものではありません。なぜならバレエは芸術だからです。なのでテクニックの難易度そのものにこだわりすぎず、「どのように」そのテクニックを見せるかを考えたり、技以外のこと、ターンアウトであったり歩き方走り方であったり顔を上げたり……そういうことをたくさん考えて練習すれば、コンクールの先にあるプロの道でも、それはきっと活きてくると思います。
 

Q5 思うことがあればなんでもどうぞ!
 

バレエに対する考え方は僕も日々変わっていますし、特にコンクールに出ていた頃の自分は考えも浅はかだったので、あまり偉そうなことは言えません。

ただ一つ言えるのは、僕はコンクールに挑戦していて良かったなということです。結果的に自分の技術などはコンクールの練習の過程でいただいた指導であったり自習であったり、そういう場面で身につけたことがすごく多く、それは今でもプロ生活の中に活きているからです。

なので賞をとってはい終わり、ではもちろん良くないですが、コンクールのために頑張ったことが自分の成長につながるのであれば、目的とか手段とか、そういうことを考えずがむしゃらに挑戦して頑張る時期もあってもいいのかな?と思います。

もちろん若いうちから将来を見据えて、コンクールのその先までを考えて行動できるなら、それに越したことはないですが……。
 

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コンクールに関するアンケート 吉田周平さん

【吉田周平さんプロフィール】

福井県出身。6歳からバレエを始める。
幼少期より様々な舞台に出演。また全国コンクールにも多数出場。入選、入賞多数。
第13回NBA全国バレエコンクール高校生男子の部第2位、同時にハンガリー国立バレエアカデミーのフルスカラシップを獲得。2010年9月より同校に一年間留学。
帰国後、第22回全日本バレエコンクールジュニアの部総合1位。
2012年9月よりルーマニアのブカレスト国立歌劇場バレエ団(Opera Nationala Bucuresti)に入団。入団から一ヶ月で「ラ・バヤデール」のブロンズアイドルに抜擢され、その後も数々の主要な役を踊る。イタリアのベルガモ、ミラノ、パレルモ、アメリカのニューヨーク、マイアミなどでガラ公演に客演し、世界の著名なダンサーたちと共演。2013年ソリスト、2014年ファースト・ソリストに昇格。
2016~17シーズンよりアメリカのタルサバレエ団 (Tulsa Ballet) に移籍。入団8ヶ月後にはデミソリストに昇格、さらに研鑽を積んでいる。
また、日本では2014年「オーチャードホール25周年ガラ(熊川哲也氏監修、出演)」
2015年「バレエアステラス(新国立劇場)」「オーチャードバレエガラ(熊川哲也氏監修)」
2016年「Bright Step」「アーティスティックバレエガラ(Ballet Office Japan)」
2017年「World Dream Ⅴ」を始め、数々の舞台に出演している。

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