1)何歳からバレエを始めましたか? 

5歳


2)どのようなことがきっかけでバレエを始めましたか?

きっかけは未だに家族も私も分かりませんが、赤ちゃんの頃から通っていた水泳教室に隣接しているスタジオでバレエクラスをしていて、もしかしたらそれを通りすがりに見たのかきっかけかもしれませんし、テレビで見た番組や宝塚に憧れたからかもしれません。
実際にバレエを始めたいと母に伝えたのは4歳の時ですが、母はすぐにはバレエを始めさせてくれませんでした。
安くはない習いごとですし、すぐに辞められても困ると思ったのでしょう。
そこから1年間渋らされてようやく近所のバレエ教室に連れて行ってくれました。
 

3)いつプロになろうと意識しましたか?

バレエを始めてすぐに将来はバレリーナと思っていたのは覚えています。
外国のバレエ団のビデオやローザンヌコンクールをテレビで見るようになってさらにプロになりたいと思うようになったのも小学校低学年の頃だと思います。


4)どうしてプロになろうと思いましたか?

一年に一回のお教室の発表会でステージで踊っている時間が大好きだったんです。
体で表現するということが基本的に好きだったんだと思います。
小さい頃は他の職業について考えてもいまいちしっくりきませんでした。


5)それに対してどんな努力をし始めましたか?

将来、海外でプロになるということは具体的にどういうことなのか想像がつきまさんでしたが、まずは留学することが第一歩だと思っており、日本にいる時は英語を小さい頃からグループレッスンと個人レッスンなどで学んでいました。
留学するまで全くぺらぺらに話せるレベルではありませんでしたが苦手意識はありませんでした。

バレエに関しては東京など別の都市で開催されるワークショップに参加してみたり、十代になってからはスカラシップの出るコンクールに参加して少しでも留学できるチャンスのあることに挑戦し始めました。
始めはコンクールに出ても結果が出ませんでしたが少しずつ、サマースクールのスカラシップや入学許可を頂き、プチ留学を経験しました。
参加したサマースクールは英国ロイヤルバレエスクール(ロウアースクールとアッパースクール)、ABTカリフォルニアサマースクール、サラソタバレエスクールです。

その頃から月に一回程度東京のバレエ教室にも通うようになりました。
もちろん地元の先生に許可を頂いてですが、バレエの基礎をしっかり学びたいと思ったからです。
小さい頃からお世話になっている地元の先生と、東京の先生から応援して頂いて2009年のユースアメリカグランプリで初めてニューヨーク決戦へ進み銀賞、スカラシップ賞をいただきました。
幸せなことにYAGPでは数校からスカラシップのオファーを頂きました。
その中からドイツのパルッカシューレに留学を決めました。
理由としては日本ではあまり学ぶ機会の少ないモダンダンス、インプロビゼーションもクラシックバレエと同じほど重点を置いて学べること。
そして3年間でバッチェラーオブアート(学士号)を取得できることです。
将来ダンサーのキャリアの後に大学で勉強したい時などに心強い資格です。

留学してから:言語(英語とドイツ語)は頑張りました。
生活するためにはコミュニケーションは必要ですし、学校で先生やクラスメイトの言っていることを理解してたくさん学びたいと思いました。

入学してすぐに自分のコンテンポラリーダンスやインプロの苦手意識に気づき始めました。
周りの学生は理解も早く、何をやってもかっこよく見えたのです。
しかしその時にせっかく留学してドイツにいるのだから今は目の前にあることをとにかく一生懸命に頑張って身に付くものは身に付けようと頑張りました。
少しずつですが自信が付いてくるのと同時に苦手意識は無くなっていきました。
 

6)今現在プロダンサーとして海外で踊ることの出来ている最大の理由は何だと思いますか?

大きくても小さくても、目標を決めたらコツコツと頑張れること。


7)今、子ども時代の自分に出会うとしたらどのようなアドバイスしますか?

自分らしくいて良い。周りと同じじゃなくても大丈夫。みんな違って当たり前だからその違いを伸ばしてあげよう。


8)プロを目指している子どもたちへメッセージをお願いします。

ダンサーという職業はアスリートのような身体能力やテクニックが求められると共に体と心の健康管理が自分で出来ることが求められます。
そして何より表現者としてなにかを自分からオファーできるということも重要だと思います。
これらのことは時間をかけ、いろんな物事を経験したり、他者からのサポートがあってこそ自分なりにしっくりくるやり方が見つかってくる事だと思います。
私も今でも模索中です。
どうかオープンマインドでいろんな分野の人や物事に興味をもって生活してみてください。
いろんな発見を楽しんでダンサーとして、人として成長できるといいと思います。


9)子ども時代バレエ以外で何をやっていましたか?
→バレエだけだとしたら、その頃何をしておきたかったですか?

水泳、ピアノ、英語、外で遊ぶ。


10)日本と海外の違いで一番大きかったこと バレエに関してとバレエ以外でありましたらぜひお願いします。

(留学とカンパニーで住んでいた国はどれもヨーロッパ圏なので、以下日本とヨーロッパの違いについて書きます。)

プロを目指すダンサーの教育をする学校のプログラムが私が留学したドイツも含めてヨーロッパではとてもしっかりしています。
アカデミックなことを学ぶ時間、ダンスを学ぶ時間が朝から夕方までのカリキュラムの中に組まれており、放課後は自由に過ごせる時間が子供達に確保されているところが日本でバレエを学ぶ環境とは違うところだと思います。
日本では朝から夕方まで学校へ行き、その後に夜までバレエ教室でバレエを学ぶという時間割が留学前の私も含めて沢山の方々がこなしているスケジュールだと思います。
日本では好きなバレエをするために夜ご飯をタイトなスケジュールに合わせて食べたり宿題をする時間や友達と遊ぶ時間も限られていました。

ヨーロッパではカンパニーの公演が学生でも学生割引でチケットが買える劇場が多いので幅広い年齢層が公演を気軽に観に行けます。
今踊っているネザーランドダンスシアターのお客さんの年齢層や職業は本当に様々です。


11)プロとして踊っていて一番よかったと感じる時はどんなときですか?

芸術は人が生活する上で第一に必要なことではないかもしれません。
しかしお客さんが劇場に足を運んでくれて、その公演を楽しみにしてくれている方々がいると知った時、この仕事をしていて良かったなと思います。

そしてこの職業を通して、踊りを通じて出会えた人達は私にとって大切な人たちです。
全ての出会いに感謝しています。


12)語学についてどのようにいつから勉強しましたか?

英語は幼稚園の頃はディズニー教材で遊ぶ感覚で英語に触れていたようで、小学生の時は友達と一緒に週一でグループ英語教室に通っていました。
中学生の頃から高校一年生で留学するまでイギリス人とカナダ人の先生の個人レッスンを週一でしていました。

しかし留学した先ではドイツ語の試験をA2レベル(初級)まで1年目に取得しなければいけないと分かり、ドイツ語はドイツに行ってからゼロから勉強しました。
はじめの半年は学校が終わったあとに語学学校に通いA1のテストをまず終え、残りの半年は個人レッスンでA2のテストも通過しました。
単語帳を作り毎晩寝る前に使っていました。


13)今は多くの子どもたちが海外への憧れを頂いていると思いますが、海外で踊ること、または留学することを進める理由、または進めない理由があればぜひお聞かせください。

学生時代の私の体験としてですが、海外留学してはじめて学校で自分らしくいられ、一緒に過ごしていて楽しい友達ができました。
ドイツの学校では当初、日本人がクラスに私一人でクラスメイトは数人のドイツ人と他はお互いにドイツでは外国人という環境でした。
その環境が今まで日本で感じていた「皆んなと一緒ではないと変に見られる」という感覚を取り除いてくれました。
そして留学が私にとってバレエ以外にも興味や考え方を広げる良いきっかけにもなりました。

私はある程度の年齢になっていたら留学又は海外で踊ることは自分の世界を広げるいい機会になるのでおススメします。
しかしなぜ留学しているのかという原点はいつも自分で確認できる強さは必要だと思います。

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