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清水健太さん×神戸里奈さんの対談、前回は清水さんの子供時代からローザンヌまでのお話をお伺いしました。

今回はその後、留学時代の話から帰国、怪我を経て入団されたマイアミシティバレエ時代のお話です!
留学時代の挫折と、怪我が教えてくれたこと
留学っていかがでしたか? 1年目などは。
ストレスでしたね。やっぱり言葉ができなかったし。それに、ローザンヌで賞を取れたという達成感で見失っていたんです。プロになるためのはずが、いつの間にかコンクールに出ることが目的になっていた。本当にストレスで、3ヶ月くらいで太りました。
帰ってきて先生に「何しに行ったの? 自分で決めて行ったんでしょ」と言われてハッとしました。「あ、確かにそうだった」と気付いて。そこから気持ちを入れ替えましたが、トントン拍子だった自分のバレエ人生で、あの挫折は今となっては本当に良かったと思います。
留学は1年だけだったんですね。その後は日本へ?
はい、帰って来ました。帰国してオーディション巡りを考えていた矢先、11月か12月頃に足を捻挫して靭帯を切ってしまったんです。計画は断念せざるを得ませんでしたが、その後に受けた国際コンクールが、マイアミへの切符になりました。
怪我をして、自分と向き合ってやり直そうという意識が集中していた時期だったんですね。
怪我をして大事なものに気づきましたね。うまくいっている時は自分のことが見えなくなって「できて当たり前」の感覚になっちゃう。でも怪我をすると「こんなこともできないのか」と思うし、自分の体をよく見るようになる。僕にとって、自分のケアを意識する非常に重要な時間でした。
マイアミシティバレエ入団、そしてプロの世界
マイアミのバレエ団からは、直接オファーをもらったのですか?
その時はまだ怪我が完治していなくて、セミファイナルまでしか行けなかったんです。「あーやっぱりダメだったな」と思っていましたが、それでも諦めずに朝のレッスンを受けに行きました。僕は振りを覚えるのが早いので、1グループ目の1列目で受けていた。それを見ていたディレクターとミストレスから声をかけていただきました。
そのお話は貴重ですね!カンパニーは別に1位の子が欲しいわけではない、ということ。クラスの中で要求に応えられているか、変化に対応できるか。そこが見られているんですね。
周りの日本人は羨ましがっていましたね。「セミファイナルまでなのに、マイアミみたいな大きなところから声がかかったの?」って。その頃はバランシンにも興味があったので、断る理由はありませんでした。アジア人にしては体格が良く、ソロも組む方もできるサイズ感だったのも良かったのかもしれません。
実際にマイアミという場所はいかがでしたか? イギリスとの違いなどは。
マイアミはラテンの人が多くてノリが良く、街の人もフレンドリーでしたね。和気あいあいという感じで。
観客の反応も日本とは違いましたか?
反応がはっきりしていました。良いものは良い、好きなものは好きと。
海外だと、どんなに有名な演出家でもダメなものは酷評される。それが観客や演出家、ダンサーを育てることになりますよね。
僕がいまだにロスに行く理由はそこです。日本だとある程度名前が知られると、出来に関係なく褒めてもらえがちです。でも海外は「お前ゲストだろ、お金かかってるんだからちゃんとやれよ」という評価をされる。
本当にダメなものはダメと言ってくれる環境に、自分を置いておかなければいけないと思っています。
今でも海外に行き続けているのは、そういう理由からなのですね。
アジア人を冷ややかな目で見る視線を感じることもあります。「なんで日本人が王子様をやるの?」というような視線を肌で感じることもあります。
その中で、海外からよく呼ばれる作品はあるんですか?
「ジゼル」「白鳥」「眠り」「ロミジュリ」などは多いですね。批評家が来ていても僕には良い評を書いてくれることが多いので、絶対ファーストキャストで呼ばれます。
現地のプリンシパルがいる中で選ばれるというのは、本当にすごいことですね。
ありがとうございます。でも、拠点はずっと日本ですね。やっぱり日本が好きだし、家族がこちらにいますから。

今回はここまで!

日本と海外の違い、プロとしてバレエ団に必要とされるとはどういうことか。今回も興味深いお話でした!次回はこのシリーズの最終回、プロを目指す子供たちへ清水さんからのメッセージです!

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