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パリ・オペラ座バレエ団 ジェローム・ロビンズ・トリビュート( レビュアー:鶴谷美穂さん)

世界最高峰のバレエ団として日本でも愛されていますパリオペラ座バレエ団の作品を迫力のある大画面とサウンドで味わうことの出来るシリーズ最新作!

今回はミュージカル映画『ウエストサイドストーリー』の監督、および振付家としても有名で、バレエ作品も数多く生み出していますジェローム・ロビンズさんの100周年を記念した舞台をお届け♪

マチアス・エイマンさんをはじめ、日本でも人気のダンサー達のホームであるオペラ座でのパフォーマンスは、演奏家や観客の方々のリアルな空気感もあって、日本にいながらにしてオペラ座の雰囲気を味わうことが出来ます。

最高の体験をぜひ映画館でどうぞ!

映画の上映を記念しまして、元イングリッシュナショナルバレエ団の鶴谷美穂さんに特別上演会でのご感想を頂きましたので、6月24日の上映に向けて気分を高めてみてくださいね♪


【 レビュアー:鶴谷美穂さん】

6/24 公開予定「パリ・オペラ座バレエ シネマ『ジェローム・ロビンズ・トリビュート』」試写会。
ロビンズの世界を満喫させていただきました。

この映画は「ウエスト・サイド物語」など多くのミュージカルの振付家としても有名なジェローム・ロビンズ生誕100周年を記念したガラ公演を収録したもので、パリ・オペラ座の演じるロビンズ4作品を一気に楽しむことができます。映画ならではの楽しみの一つとして、ダンサーの表情をクローズアップで見ることもできます。

①「ファンシー・フリー」 ロビンズの振付デビュー作。後にミュージカル「ウエスト・サイド物語」を制作するロビンズ、L.バーンスタイン(音楽)、O.スミス(装置)ともに 25歳のときの作品です。1日だけ休暇を許された水兵3人組が、ニューヨークのバーで美女たちの気を惹こうと展開していく物語で、それぞれが得意な踊りを披露するコミカルな場面では、ロビンズがミュージカル界でも愛された理由を垣間見ることができます。

②「ダンス組曲」 チェロ奏者とダンサーの見事なコラボレーション作品です。バッハのチェロ組曲に合わせて踊るマチアス・エイマン。音楽に合わせて表現するというより、まるで彼自身がチェロを奏でているかのように感じました。体力が最後までもつのか少しドキドキしながら観るこの作品は、スリリングでもあり、踊りの最後には私自身が達成感を感じてしまうほどでした。

③「牧神の午後」 ニジンスキー版とは異なり、客席側を稽古場の鏡に見立て、男女2人のダンサーが鏡を通してポーズを取りあっていくロビンズ独特の世界観がユニークです。シンプルな舞台セットがユーゴ・マルシャンとアマンディーヌ・アルビッソンの美しいラインを、より引き立ててくれます。幻想的なドビュッシーの音楽に舞う二人に、神々しさと官能的な雰囲気が交錯します。

④「グラス・ピーシズ」 フィリップ・グラスの音楽に合わせて色とりどりのポップな衣裳、舞台セット、照明、様々なフォーメーション、そして次々と舞台袖から登場しては消えていくダンサーたち。とても40年ほど前に創られた作品とは思えない斬新さで、主役を踊るセウン・パク、フロリアン・マニュネをはじめパリ・オペラ座のダンサーたちのレベルの高さ、そして層の厚みをあらためて肌で感じました。

6/24 公開予定「パリ・オペラ座バレエ シネマ『ジェローム・ロビンズ・トリビュート』」
「映画のバレエにしかない良さもある。」そんな余韻にひたることのできるおすすめの作品です。


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ジェローム・ロビンズ・トリビュート作品詳細

「ファンシー・フリー」 

音楽:レナード・バーンスタイン 振付:ジェローム・ロビンズ 

装置:オリヴァー・スミス 衣裳:カーミット・ラヴ

照明:ジェニファー・ティプトン

キャスト:

エレオノーラ・アバニャート

アリス・ルナヴァン

ステファン・ビュリオン

カール・パケット

フランソワ・アリュ

オーレリア・ベレ

アレクサンドル・カルニアト

 

「ダンス組曲」

音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ 

振付:ジェローム・ロビンズ

衣裳:サント・ロカスト 照明:ジェニファー・ティプトン

チェロ:ソニア・ヴィーダー=アサートン

キャスト:マチアス・エイマン

 

「牧神の午後」

音楽:クロード・ドビュッシー 振付:ジェローム・ロビンズ

装置:ジャン・ローゼンタール 衣裳:イレーヌ・シャラフ

照明:ジェニファー・ティプトン

キャスト:

ニンフ/アマンディーヌ・アルビッソン

牧神/ユーゴ・マルシャン

 

「グラス・ピーシズ」

音楽:フィリップ・グラス 振付:ジェローム・ロビンズ

装置:ジェローム・ロビンズ/ロナルド・ベイツ 

衣裳:ベン・ベンソン

照明:ジェニファー・ティプトン 

キャスト:セウン・パク、フロリアン・マニュネ

詳しくは公式ホームページをご覧ください。
https://www.culture-ville.jp/jerome





【鶴谷美穂さんプロフィール】


LISTD, Enrico Cecchetti Final Diploma Holder

BASI® Pilates (Mat) Certification

 

英国ロイヤル・バレエ・スクール卒。日本人初のイングリッシュ・ナショナル・バレエ団員。故ダイアナ妃御前公演を始め、欧州にてツアーを重ねる。帰国後、新国立劇場バレエ団、Kバレエ・カンパニーでソリストとして活躍。長野五輪開会式ではソリストを務める。

 

現役引退後、英国チェケッティ・ソサエティ奨学金による招聘で再渡英。日本人3人目のエンリコ・チェケッティ・ファイナル・ディプロマを授与され、本格的に指導者としての道をスタート。現在は教師養成資格を合わせ持つ英国ISTD教師資格「チェケッティ・ライセンシエイト」を保持し、渋谷区神宮前にて「英国ISTD認定バレエ・スクール The Ballet Garden」を主宰。バレエ教師の育成にもあたり、英国ISTD主催のチェケッティ・バレエ教師資格試験では受験した生徒全員が合格。

 

日本から海外を目指す人材の育成にも力を入れ、エルムハースト・バレエ・スクール、ロイヤル・コンセルバトワール・オブ・スコットランド、イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール、入学オーディション講師。ロイヤル・バレエ・スクール「Japan Intensive」、The Wells 主催「エンリコ・チェケッティ・ディプロマ」等の通訳。その他国内外の講習会指導、コンクール審査員、マシュー・ボーン・ニュー・アドベンチャーズ、ゲスト講師として活躍。また、ジャンルを超えた創作活動として、安藤美姫(フィギュア・スケーター)公演やファッションブランド「MUVEIL」とのコラボレーション・バレエ作品を制作。構成・演出・振付を担当。BASIピラティス(マット)指導資格保持。

 

英国チェケッティ・ソサエティ・トラストより依頼を受け、「エンリコ・チェケッティ・ディプロマ DVD/Blu-ray」を翻訳・日本語監修(英国ロイヤル・オペラ・ハウス Opus Arte 出版)


Instagram
https://www.instagram.com/miho.tsurutani/

スクールHP
https://www.the-ballet-garden.com/index.html

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