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パリ・オペラ座バレエ団 ジェローム・ロビンズ・トリビュート( レビュアー:西村真由美さん)

世界最高峰のバレエ団として日本でも愛されていますパリオペラ座バレエ団の作品を迫力のある大画面とサウンドで味わうことの出来るシリーズ最新作!

今回はミュージカル映画『ウエストサイドストーリー』の監督、および振付家としても有名で、バレエ作品も数多く生み出していますジェローム・ロビンズさんの100周年を記念した舞台をお届け♪

マチアス・エイマンさんをはじめ、日本でも人気のダンサー達のホームであるオペラ座でのパフォーマンスは、演奏家や観客の方々のリアルな空気感もあって、日本にいながらにしてオペラ座の雰囲気を味わうことが出来ます。

最高の体験をぜひ映画館でどうぞ!

映画の上映を記念しまして、元東京バレエ団ソリストで、マニュエル・ルグリさん達とも共演され、パリオペラ座バレエ団ダンサー達ともゆかりのある西村真由美さんに特別上演会でのご感想を頂きましたので、6月24日の上映に向けて気分を高めてみてくださいね♪

【 レビュアー:西村真由美さん】

コロナの為まだパリに旅行に行く事が難しい中、見たいと思っていた作品が映画ではありますが、今回このような機会を頂き観る事ができました。

ウェストサイドを振付しているロビンスの作品は、コミカルな振付とお芝居、カラフルな衣装、そして音楽、、、
ミュージカルを見ているようでとても楽しかったです。

バリシニコフの為に振付られたダンス組曲!
マチアス・エイマンのチェロの演奏に乗った滑らかな踊りについ引き込まれ、映画という事を忘れ拍手を送ってしまいました。

最近エトワールに昇進したユーゴ・マルシャン、パク・セウン、フランソワ・アリュ

映画だから叶うスペシャルキャストでした。

そして、私自身の大切な思い出となりますが、今回の映画で私が実際にお会いした事があるダンサーはマチアスとユーゴ。
マチアスはまだエトワールになる前に東京バレエ団にマニュエル・ルグリさんと共に来日し、2007年に1幕事に主役が違う!スペシャルコラボレーションの白鳥の舞台がありました。
熟練エトワール、ルグリさんの技量と貫禄の素晴らしさ♪
マチアスは真っ赤な衣裳でなんと道化! 可愛らしい少年のように軽やかに踊っていました。
他にも元エトワールの若手時代が見れた貴重な舞台でした。
まだ不安定な部分もあり袖でしっかりとルグリ先生に指導を受けるオペラのダンサー達をスタジオや舞台上で応援しながら見守っていたのを覚えています。

1幕
ジークフリート王子:オドリック・ベザール
道化:マチアス・エイマン
パ・ド・トロワ:マチルド・フルステー、シャルリーヌ・ジザンダネ、アクセル・イボ

2幕
オデット:ミリアム・ウルド=ブラーム
ジークフリート王子:マニュエル・ルグリ
悪魔ロットバルト:ステファン・ビュヨン

3幕
オディール:ドロテ・ジルベール
ジークフリート王子:マチュー・ガニオ
悪魔ロットバルト:ステファン・ビュヨン
道化:マチアス・エイマン

ユーゴ・マルシャンとは、私がパリでレッスンを受けている時に、たまたまレッスンが一緒でした。
彼もまだエトワールになる前!
私が言うのは、おこがましいのですが、背が高く、綺麗なんですが、まだ荒削りの部分がありました。
オペラのリハーサルが無い日だったのか、ジャンマリー先生に指導を受けたくてレッスンを受けていました。

こんなに素晴らしいダンサーになるなら、先にサインか写真でも撮ってもらえば良かった!と思いました(笑)

オペラ座に入団出来るだけでも素晴らしいのに、エトワールまでに上がる大変さ、そして影の努力!
華やかな世界とは裏腹に地道に努力しなければならない世界。

オペラに限らずですが、エトワール達の成長過程、コールドには金の卵がどこにいるのか!
一度の舞台では見切れないですね。
また違った視点からこの映画を見に行きたいと思います。


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ジェローム・ロビンズ・トリビュート作品詳細 

「ファンシー・フリー」 

音楽:レナード・バーンスタイン 振付:ジェローム・ロビンズ 

装置:オリヴァー・スミス 衣裳:カーミット・ラヴ

照明:ジェニファー・ティプトン

キャスト:

エレオノーラ・アバニャート

アリス・ルナヴァン

ステファン・ビュリオン

カール・パケット

フランソワ・アリュ

オーレリア・ベレ

アレクサンドル・カルニアト

 

「ダンス組曲」

音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ 

振付:ジェローム・ロビンズ

衣裳:サント・ロカスト 照明:ジェニファー・ティプトン

チェロ:ソニア・ヴィーダー=アサートン

キャスト:マチアス・エイマン

 

「牧神の午後」

音楽:クロード・ドビュッシー 振付:ジェローム・ロビンズ

装置:ジャン・ローゼンタール 衣裳:イレーヌ・シャラフ

照明:ジェニファー・ティプトン

キャスト:

ニンフ/アマンディーヌ・アルビッソン

牧神/ユーゴ・マルシャン

 

「グラス・ピーシズ」

音楽:フィリップ・グラス 振付:ジェローム・ロビンズ

装置:ジェローム・ロビンズ/ロナルド・ベイツ 

衣裳:ベン・ベンソン

照明:ジェニファー・ティプトン 

キャスト:セウン・パク、フロリアン・マニュネ

詳しくは公式ホームページをご覧ください。
https://www.culture-ville.jp/jerome





【西村真由美さんプロフィール】

5歳より谷桃子バレエ団研究所にてバレエを始める。
余バレエ・アカデミー、スタジオ・アンサンブル、中国国立北京舞踊学院、ベルギー等で研修。
スウェーデン王立バレエ学校留学。 
1998年、チャイコフスキー記念東京バレエ団入団。ソリストとして活躍。同バレエ団の国内外の公演で、古典作品からモーリス・ベジャール 、ジョン・ノイマイヤー、イリ・キリアン等 幅広いジャンルを踊る。
2009年4月には、フェリックス・ブラスカによる「タムタム」にて主役を踊る。
2010年2月にパトリック・ド・バナ振付「ホワイト・シャドウ」に、マニュエル・ルグリ(元パリ・オペラ座エトワール)の大抜擢によりパートナーとして踊った。
2013年退団。現在はフリーとして活躍中。
2015年フランス政府認定バレエ教師国家資格取得。
2016年バーオソルオフィシャルトレーナー認定。

 

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