Q1 コンクールの想い出
コンクールの思い出と言われて一番に頭に浮かぶのは、思い通りの結果が出ず表彰式の後に家族全員の前で大泣きした事です。
というのも、2,3年連続で同じ賞を頂いたことがあり、”イコール自分は全く成長していないんだ”と悔しくて悔しくてたまらなかったのです。
家族は”それでも賞に入ってるんだからいいじゃない、お祝いに行こう”とご飯へ連れていってくれましたが、悔しさが溢れ出て止まらなかったのを思い出します。
その経験が私のお尻に火をつけ、”ここからどうすれば成長できるのだろう?がむしゃらに練習するだけでは上手くならないんだな…”と頭を使って練習内容を一から見直し、徹底的に自分が弱いところを部分練習する様になりました。
今こうして思い返すと、頭を使い練習する様になってからの成長速度はとても早かったと思います。
その後何年もかかって、予想以上の結果がついて来た時は嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。
Q2 コンクールで得たもの
どうしても上位入賞したくて、ネットに上がっている上位入賞者の動画を隅から隅まで穴が空くほど見て、各コンクールの審査員の先生方の好みまで分析しようとしたことがあります。その必死さ故の行動は、”少しでも成長したい、前進したい”と思う人間にとってはとても大事なことだと思います。
”努力してもいくら練習しても結果がついて来ないこともある”というのは、とても厳しい言い方をすると言い訳だと私は思っています。”〇〇コンクールで上位入賞したい”という明確な目に見える目標がある場合は、きちんと策を練り計画を立て正しい努力をすれば成し遂げられるんだ、とその後の経験を通して学びました。
これは今でも”絶対に外したくない!”と思う目標が目の前にある時に、コンクールへ取り組んだ事で培った、努力を惜しまない精神と徹底して分析するクセが自分にはしっかりと根付いているなぁと感じます。
Q3 コンクールは自分の今の人生にとって必要だったか(コンクールがなくても今の自分がいたかどうか)
前提として、今オランダでフリーランス活動をしている自分がすごく好きだ、という事実がある上で話します。
答えはイエスです。でも、それがコンクールでなくても良かったと思います。
要はダンスに必死になったが故に自分と深くまで向き合った時期があること、成長するために努力を惜しまず練習し自分を追い込んだ経験があること、そしてコンクールで頂く賞という目に見える結果が私の背中を押してくれたこと。それらが糧となり、更なる目標を産み、私の人生をステップアップさせてくれました。
それらの経験が今の自分になるためには必要不可欠だったと思います。
でももう一度言っておきたいのは、これはコンクールでなく別のことでも経験できることです。
Q4 コンクールに出場する人たちに伝えたいこと
コンクールが全てではないです。
でも取り組むなら中途半端な気持ちではなく強気に、”1位しかいらない”と思って挑戦すべきだと思います。だってこれはコンクールで、結果がついてくる事にあえて挑戦してるんですから、そこはしっかりと構えてほしいです。
そして全力でやっても結果がついて来なければ、それはそれでいいんです。とにかく、無我夢中になり頭を使って練習する事がとても大切で、その経験が将来のあなたの役に立ちます。周りの目や評価に惑わされず、自分の方法で自分と向き合い、奮い立たせ、戦ってほしいです。
正直、私は一体どこのコンクールで何の賞を頂いたのかをもうさっぱり覚えていません…。でも確実に今でも自分の中に刻まれているのは、コンクールを通して得た経験です。結果ではなく経験に重点を置き、一生懸命に取り組んでほしいです。
Q5 思うことがあればなんでもどうぞ!
どんな経験も必ずあなたの糧となります。
一見ダンスと関係ないと思われる様なことでさえ。
例えば友達と遊ぶこと、旅行へ出かける事、ケンカすること、辛い思いをすること、新しい習い事を始めること、アルバイトをすること、美味しいご飯を食べること、ペットを飼うこと、恋愛すること、思いっきり泣くこと、お腹が痛くなるまで笑うこと、そして沢山の失敗をすること。全てがあなたを人間として成長させてくれます。私たちはダンサーである前に人間です。豊かな人間性を持つ人の踊るダンスには、格段に深みが出ると私は思っています。
だから、周りにいる人や物事への感謝を忘れず、目の前にあるどんな事にもいい気持ちで取り組むこと、それがあなたのダンサーとしての成長をも助けてくれると信じてほしいです。
そうして毎日が彩り豊かな人生を皆さんに送ってほしいと心から思います。
ダンスを通してステキな人間になることを目標に、私もこれから更に頑張っていきます!
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コンクールに関するアンケート 三崎彩さん
【三崎彩さんプロフィール】
1992年大阪生まれ。
4歳より涌井三枝子に師事、クラッシックバレエを始める。
10歳より今岡翔子、加藤きよ子に師事、モダンダンスを始める。
2009年 兵庫県宝塚北高等学校 演劇科へ入学、2012年に卒業し同年、神戸女学院大学 音楽学部 音楽学科 舞踊専攻に入学。島崎徹に師事。
•その間に出場したコンクールでの受賞歴•
第24回 こうべ全国洋舞コンクール モダンダンス部門 ジュニアⅠ部 第2位
Passion du Ballet á Kyoto Competition in Summer コンテンポラリー部門 第一位
2012 つくばバレエコンクール モダン シニア部門 第一位 茨城県知事賞
第26回こうべ全国洋舞コンクール モダンダンス部門 第3位
2015年に大学卒業した後、NDT2(ネザーランド ダンス シアター 2)へ入団、2018年に退団しフリーランスとしてオランダを拠点にヨーロッパを中心に活動開始。現在に至る。
現在はEdward Clug, Jiri Pokornyの作品をコーチング、Samir Calixtoの新作にダンサーとして出演、ツアーに参加中。
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