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清水健太さんは2018年11月25日に行われたIwaki Ballet Company「ジゼル」にアルブレヒト役で出演。

公演直後の清水さんと神戸里奈さんの対談が実現!

第1回はそのジゼルの舞台での役作りのお話です。

 

神戸> この間の公演とても良かったです。アルブレヒトがはじめてちょっと良い人に見えました。

清水> ほんとですか?

神戸> アルブレヒトって女性側からしたら、純粋な心を裏切るなんて!と、思ってました。

清水> 女性目線からするとね笑。

神戸> ストーリー的にもそういうポジションとして書かれていますよね、でもそれが今回の公演ではただの一青年であって、人間的らしさを感じられてとても良かったです。

清水> 現代版アルブレヒトみたいな感じだったかもね。昔だとやっぱり貴族だから、感情を表に出さないですしね。

神戸> そうですね。

清水> 感情をあえて出してないのが、アルブレヒトみたいなこだわりを持っている人たちもいるんだけど、でも僕は、ストレートに思った感情を出すようにしました。そういう目線もあるかな、と思って。

神戸> 本当にジゼルのことが好きそうでしたね。バチルドに対してはどんな感じですか?

清水> バチルドに関しては、好意とかそういうのではなくて、政治的な感じですね。国同士、みたいな。

  アルブレヒトの登場の時、颯爽とマントを翻して出て来るんですが、あの時に自分の中のいつものこだわりで、やっと抜け出せたっていう安堵感というか、空気を吸ってっていうのを、毎回出すようにしているんですけど、それが一つアルブレヒトスイッチみたいな感じになっています。

神戸> 本当の自分みたいな感じですか?

清水> 1か月に1回も抜け出せない状態なんだろうけど、彼女に会える時間がすごく楽しみで仕方ない。みたいな感じですね。

神戸> ジゼルはその彼しか知らないから彼のこと好きになるんですよね。

  井脇さんからは、細かく演出とかありましたか?

清水> 動かない、踊らないという日を3日、4日作って本当に段取りだけをしていました。

  初演のヒラリオン役の正木亮さんもきてくださって。

 「幸江さんがいうヒラリオンは俺の中のヒラリオンとはちょっと違うけど、でもそれもアリだな」みたいな感じで、たとえばヒラリオンならここまで時間使って良いかなとか、曲を聞きながら感覚で打合せたり。

神戸> 最初の時は幸江さんと踊ったんですか?

清水> はい。それが幸江さんの所の正式な公演としては第1回目でした。

神戸> では今回は元々の演出は分かっていて、それを影山茉以さんと新しく物語を二人で作るみたいな感じだったのでしょうか?

清水> そうですね。

神戸> 振りから入るよりお互いのセリフから入るほうがリアルですし、理想の形ですね、羨ましいです。

神戸> 昼の公演は見れなかったので幸江さんがどういうジゼルを演じたのかとても気になってます。いまあの年齢で、先日インタビューした時もおっしゃっていたのですが、今が一番踊るの楽しいって言って。素晴らしいことですよね。

 


清水> 楽しそうでした。前日もすごい夜遅くまでされていました。

 神戸> 清水さんは本番をどうやって作っていくタイプですか?

  役者になる瞬間とか感じますか?

 


 

清水> もともとうまく踊るタイプじゃないから、ガラ公演とかの方が苦手なんです。全幕の方が好きなんです。

  役に関しては入り込みたいって思いますね。リハーサルの時から結構同じ熱量でやってます。

神戸> それはすごいわかります。

清水> いろんな人からよく言われる。

 「健太君って本当に、いつも抜かないよね。」って。

 

 

神戸> 抜いちゃうとそこでプツンって集中力が切れて役じゃなくなる気がします。

清水> たとえば1幕のジゼルと目があってときめく瞬間、マーキングだったらちょっと白けない?

神戸> なるほど。清水さんがアルブレヒトをどういう風に考えているのかが、すごい気になっていたんですが、今回お話を伺って納得しました。

 

    

    ところで清水さんは国内外でいろんなパートナーと組んできていると思うのですが、その人の実力が、触っているとわかったりしますか?

清水> わかりますね。実力というか身の委ね方でなんとなくタイプがわかっちゃう。上手い下手とかそういうのはあんまり感じないけど、あ、ポジションがもっとこっちの方が良いのになとか、できる範囲で治しちゃうし、その時の空気の作り方とか、間の取り方とか目線のつけ方とかでなんとなくわかります。

神戸> この人はすごいなとか、自分とあうなって思った人いますか?

清水> 最近踊って感動したのは、酒井はなさんと倉永美沙ちゃん。とても良い舞台踏んできてるんだろうなって、触った瞬間わかります。

  あ、すごいなって。一緒に踊っていてもっと観てみたいなって、思っちゃう。

神戸> 体が自由自在ってことかしら?

清水> 体が自由自在っていうか、やろうと思ってやっていないんだろうなって思えちゃう時があって。

  有名なダンサーとは組ませていただいて思うのは、はなさんだって、歳も上だし、キャリアも上だし、でもそれだけじゃなくてパートナーとして接してくれている、その接し方がすごい好きですね。

神戸> 一緒に作ろうっていう感覚がすごくあるのかな。今回のこの公演を、このキャストで、楽しもうと言う感覚でしょうか。

清水> はなさんに踊ってもらったのがライモンダなんです。これは僕が演出振付をやって、主演もやって、パートナーはなさんでっていう回だったのだけど、初めて演出も振付も編曲も全部させてもらって、その時にはなさんは全幕を一回しかやったことないんだっておっしゃっていて。その時が人生で初で、新国では踊る機会がなかったそうで。

  あそこまでキャリアがあるのに、一回しかやったことないからって言って、不安だから受け入れようかどうか迷ったっていう、そういう話も全部してくれたんですよね。

  はなさんにそう言われたら、何にも言えないなって思いました。

  そういうのを自分が説明するわけでもなく自然とやっている人ってやっぱり素敵だなって思いますね。

神戸> 自分の中でまだまだだっていう感覚がを持っておられると言うことは、ダンサーとしても人間的にも、まだまだ成長したいって思ってらっしゃるってことですね。

清水> かっこいいと思いますね。

神戸> 圧倒的な存在感もありますね。

清水> 一瞬で空気を作ってしまう。

  稽古場でも、まだ体の調子が良くないって言っていて、マークしますねって言いながら、でも初の通し稽古だから中ぐらいの感じでやってくれたんですね。

  そしたらもうやっぱり静まり返リましたね。すごいな、この人って思いました。

神戸> なるほど、やはり素晴らしいダンサーさんは空気まで違ってくるのですね。

  

今回のインタビュー記事はここまで!

いかがでしたでしょうか。

国内外で様々な素晴らしいダンサーの方々とも共演をなさっている清水さん、次回は清水さんがプロとして活躍するに至るまでの子ども時代にも焦点を当ててお伺いしていきます。ご期待ください!

 

 

 

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清水健太さんが語る!プロを目指す子供達へ①

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