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パ・バランセ② / pas balancé②

パ・バランセ②とは?左前後のpas balancé|バレエ動画事典

バレエ動画事典|海外文献による用語解説

パ・バランセ②pas balancé ②

3拍子の曲に合わせて、前後左右へ揺れるように動くパ・バランセ。②では左脚から前方・後方へ始めるパターンを確認し、下・上・下の柔らかな高低差と3回の体重移動を学びます。

モデル・監修:神戸里奈先生

30秒でわかる結論

パ・バランセ②は、3拍子に合わせて行うバランセのうち、左脚から前方・後方へ踏み始めるパターンです。左脚へプリエで踏み込み、右脚へ軽く体重を移し、左脚へ戻る3歩を基本にします。前後へ移動しても、下・上・下の揺れと、滑らかな上体・腕・視線を保ちます。

リズム
3拍子。1拍目を長く、2・3拍目を軽く
左前
左前へ踏む→右脚へ移る→左脚へ戻る
左後ろ
左後ろへ踏む→右脚へ移る→左脚へ戻る
高低差
プリエ・ドゥミ・ポワント・プリエ=下・上・下
上体
足の方向へ柔らかく揺れ、腰や肩だけを振らない
目的
左右差なく体重移動、音楽性、空間感覚を育てる

動画で左前後のパターンを確認

バレエTVより|モデル・監修:神戸里奈先生。左脚が前・後ろへ出る方向、右脚へ体重が移る瞬間、左脚へ戻る第3歩、腕と上体の揺れを確認してください。

動画の基本説明

3拍子の曲に合わせて、前後左右に揺れるように動くステップです。②は左前後のパターンです。

《バレエちゃんより♪》
バランセにはフランス語で「釣り合いのとれた」「均衡のとれた」という意味があるよ。

この「釣り合い」は、身体を動かさず静止する意味ではありません。一方の足からもう一方へ重心を動かしながら、足裏・骨盤・胸郭・腕・頭の関係を整え、毎歩で新しい均衡を作り続けることを示します。

パ・バランセとは

海外の古典バレエ技術辞典は、バランセをパ・ドゥ・ヴァルスに似た「揺れるステップ」と説明しています。一方の足へ踏み込み、反対脚へ軽く体重を移し、最初の足へ戻る動きを、前・後ろ・横・クロワゼ・エファセなどで行います。

フランス学士院辞典の古い版はbalancéを「身体が一方の足からもう一方の足へ等しい拍で揺れる舞踊のステップ」と定義しています。現在のバレエでは、3つの歩みを同じ重さで踏むのではなく、通常は第1歩を長く、第2・第3歩を軽くまとめます。

パ・バランセ②の位置づけ:①と②は別の技ではなく、左右・方向を分けて正確に学ぶための動画です。②では左脚から前後へ移動し、右脚へ一度体重を渡して左脚へ戻ります。

意味・語源・表記

フランス語 意味 バレエでの意味
pas 歩、ステップ 一つまたは複数の足の運び。
balancé 揺れた、釣り合った、均衡した 左右・前後へ体重を移す揺れのあるステップ。
balancer 揺らす、釣り合わせる 一方から他方へ重心を運ぶ動作。

標準的なフランス語表記はpas balancéです。検索ではアクセントを省いたpas balanceも使われます。「②」はフランス語用語の一部ではなく、バレエ動画事典で左前後の実演パターンを区別する番号です。

3歩と下・上・下

体重移動 高さ
1 進行方向の左脚へ踏み込む プリエで低い 長く、柔らかく、揺れの始まり
2 右脚へ軽く移る ドゥミ・ポワントで高い 短く、軽く、通過する
3 左脚へ戻る 踵を下ろしプリエ 柔らかく次の1拍目へ渡す

「左・右・左」という足順だけではなく、3回すべてで支持脚が交換されます。右脚へ体重を移さずに足だけを置くと、左脚へ戻れず、上体の揺れも不自然になります。

左前のパターン

  1. 準備:第五などでプリエし、左脚を自由に動かせる軸を作ります。
  2. 左脚を前へ出す:タンデュまたはデガジェで前方へ伸ばします。
  3. 左脚へ踏み込む:左足の上へ骨盤を運び、柔らかくプリエします。
  4. 右脚を後ろ側へ置く:左脚の後ろまたはクペ付近へ小さく置きます。
  5. 右脚へ軽く立つ:ドゥミ・ポワントで体重を移し、左脚を自由にします。
  6. 左脚へ戻る:左足へ体重を戻し、踵を下ろしてプリエします。
  7. 上体をまとめる:左前への揺れから中央へ戻り、次の動きへつなぎます。

右脚を置く場所は、後ろの第五、クペ、シュル・ル・ク・ドゥ・ピエに近い位置など、教授法によって異なります。大切なのは、右脚へ一度明確に立つことです。

左後ろのパターン

  1. 準備:視線と上体を保ち、左脚を後方へ動かせる位置を作ります。
  2. 左脚を後ろへ出す:床を使い、つま先まで長く伸ばします。
  3. 左脚へ後退する:上体だけを後ろへ反らさず、骨盤ごと左足の上へ移ります。
  4. 右脚を前側へ置く:左脚の前または前のクペ付近へ小さく置きます。
  5. 右脚へ軽く立つ:ドゥミ・ポワントで高さを作り、左脚を自由にします。
  6. 左脚へ戻る:左足へ体重を戻し、踵をコントロールしてプリエします。
  7. 視線を前へ保つ:床だけを見ず、振付上の方向とエポールマンを維持します。
後ろへ行く=上体を反る、ではありません。頭・胸郭・骨盤を左足の上へ運び、支持足の位置を周辺視野と床感覚で確認します。

左前と左後ろの比較

比較 左前 左後ろ
第1歩 左脚を前へ踏む 左脚を後ろへ踏む
右脚の位置 左脚の後ろ側へ置く形が一般的 左脚の前側へ置く形が一般的
重心 前方へ移りやすい 上体が前に残りやすい
視線 進行方向を見やすい 床を見すぎず舞台方向を保つ
共通点 左・右・左、下・上・下、3拍子、柔らかな揺れ

体重を「完全に」移す

パ・バランセで足がもつれる最大の原因の一つは、第2歩へ体重を渡さないことです。右足を左脚の近くへ置いただけでは、右脚は支持脚にならず、左脚を自由に動かせません。

  • 第1歩で左足の上へ骨盤を移す
  • 第2歩では短時間でも右足へ立つ
  • 右足に立った瞬間、左足を床から軽くできる
  • 第3歩で左足へ戻り、右足を自由にする
  • 両足の間に重心を残さない

ゆっくり行い、一歩ごとに片脚を数ミリ浮かせられるか確認すると、体重移動の有無が分かります。

足部・膝・股関節のアライメント

プリエする左脚

  • 母趾球・小趾球・踵で床を捉える
  • 膝と足先を同じ方向へそろえる
  • 前後へ踏んでも足を床へねじ込まない
  • 股関節から保てるターンアウトを使う

第2歩の右脚

  • 足を左脚へ押しつけすぎない
  • ドゥミ・ポワントで足首を脛の下へ保つ
  • 母趾側へ倒れるローリングインを避ける
  • 小趾側へ逃げるシックリングを避ける
  • 足趾を握らず、前足部を広く使う

骨盤

  • 一歩ごとに新しい支持足の上へ移す
  • 動脚側の骨盤を持ち上げない
  • 支持股関節へぶら下がらない
  • 前後移動で腰を反り、重心を残さない

上体・腕・頭の揺れ

バランセの上体は、足の体重移動を舞台上へ見せる役割を持ちます。第1歩の方向へ柔らかく運び、第2・第3歩で中央へ戻します。

  • 肩だけを左右・前後へ振らない
  • 腰から折れず、両側のウエストを長く保つ
  • 骨盤の移動に胸郭が滑らかについていく
  • 腕は背中から運び、手先だけを揺らさない
  • 頭を傾けすぎず、首を長く保つ
  • 前後の移動でも視線を舞台空間へ向ける

3拍子と音楽性

3拍を同じ強さで踏むと、行進のようになり、バランセの波が消えます。1拍目から次の1拍目へ続く大きなフレーズとして捉えます。

音楽的な役割 動作
1 最も長い主拍 左脚へ踏み込み、揺れを始める
2 軽い通過 右脚へドゥミ・ポワントで移る
3 次への準備 左脚へ戻り、次の1拍目へ渡す

「ワン・ア・スリー」と感じたり、「大きく・軽く・戻る」と言語化したりすると、1拍目と2・3拍目の違いを理解しやすくなります。

似ているステップとの違い

用語 主な特徴
パ・バランセ② 左脚から前後へ行う、下・上・下の揺れを伴う3歩。
パ・バランセ① 反対脚側の前後パターンを示す動画。基本原理は同じ。
バランセ・ドゥ・コテ 左右へ行う横方向の代表的バランセ。
バランセ・アン・トゥルナン 3歩の揺れを保ちながら方向を変える。
パ・ドゥ・ワルツ 3歩のワルツステップ。近いが足位置・移動・用途が異なる場合がある。
パ・ドゥ・ブレ 3歩で体重を移すが、バランセ特有の揺れと下・上・下を主目的としない。

パ・バランセ②で養うもの

  • 左脚から始める前後方向の体重移動
  • 3拍子における長い第1歩と軽い第2・第3歩
  • プリエとドゥミ・ポワントの連続性
  • 左脚・右脚・左脚への支持脚交換
  • 前進と後退での足部・膝・股関節のアライメント
  • 骨盤・胸郭・腕・頭を一つの揺れへ統合する能力
  • 左右差を減らし、苦手側でも音楽を保つ能力
  • ワルツ、アダジオ、センターでの流動的な表現

よくある失敗と修正方法

  • 左脚を出すだけで体重が残る:骨盤を左足の上へ運ぶ。
  • 右脚へ立たない:第2歩で左足を一瞬軽くできるか確認する。
  • 3歩が同じ高さ:左プリエ・右ドゥミ・左プリエを明確にする。
  • 1拍目が短い:左への踏み込みを長くし、2・3拍を小さくする。
  • 前進で上体だけが先行:足と骨盤を同時に前へ運ぶ。
  • 後退で腰を反る:胸郭と骨盤を左足の上へ移す。
  • 後退で床を見続ける:視線を舞台方向へ保ち、足位置は床感覚で確認する。
  • 右足を左脚へ強く押す:小さく軽く置き、支持脚として立つ。
  • 右足首が内側へ倒れる:ターンアウトを減らし、前足部全体を使う。
  • 膝が内側へ入る:プリエを浅くし、膝と足先をそろえる。
  • 肩だけを揺らす:足裏・骨盤・胸郭から上体を運ぶ。
  • 腰から折れる:ウエストを長く保ち、全身の曲線を作る。
  • 腕が遅れる:第1歩と同時に背中から腕を運ぶ。
  • 足音が大きい:踵とプリエをコントロールし、床を踏みつけない。
  • 苦手な左側だけ速くなる:①と同じテンポ・歩幅で左右を比較する。

安全に練習するために

前後のバランセは、小さな動きの中でプリエ、ドゥミ・ポワント、片脚支持、方向変化を反復します。無理なターンアウト、足部の内側への潰れ、膝と足先のずれを繰り返すと、足部・足首・膝へ負担が蓄積する可能性があります。

  • 横のバランセと前後の足順をゆっくり確認する
  • 歩幅を小さくし、毎歩で重心を支持足の上へ移す
  • ドゥミ・ポワントで足首を中央に保つ
  • 後方へ進む場合も足を床へ固定してねじらない
  • 床が滑る、粘る場合は歩幅とテンポを調整する
  • 疲労で膝・足首・骨盤が崩れたら休む
中止の目安:足首、前足部、膝、股関節の鋭い痛み、腫れ、熱感、しびれ、引っかかり、力が抜ける感覚がある場合は中止します。繰り返す症状は医療専門職へ相談してください。

段階的な練習方法

1.足裏全体で左・右・左

高低差を付けず、左前と左後ろの足順と体重移動を歩いて確認します。

2.一歩ごとに静止する

左脚、右脚、左脚のそれぞれで片脚支持を確認します。

3.下・上・下を加える

第1・第3歩をプリエ、第2歩を低いドゥミ・ポワントにします。

4.左前を連続する

歩幅を小さくし、3拍子で同じ方向へ反復します。

5.左後ろを連続する

上体を反らず、視線を保って後退します。

6.左前・左後ろを交互にする

一つの場所へ戻り、前後の距離と足順をそろえます。

7.腕と頭を加える

体重移動が安定してから、上体の揺れとポール・ド・ブラを広げます。

8.①と②を左右連続する

左右でテンポ、歩幅、高低差、音楽性が同じか比較します。

指導者が伝えるときのポイント

  • ②の意味を最初に説明する:別技ではなく、左前後の実演パターンであることを伝える。
  • 「左・右・左」と支持脚を示す:足位置だけでなく体重移動を明確にする。
  • 前後で右足の位置を分ける:前進では後ろ側、後退では前側という関係を実演する。
  • 1拍目を長くする:3歩を同じ強さの小刻みな歩行にしない。
  • 後退時の上体を見る:腰の反り、前残り、床への視線を修正する。
  • 第2歩の足首を確認する:短い瞬間でもローリングインとシックリングを見逃さない。
  • 上体の揺れを肩から作らせない:プリエと骨盤移動から始める。
  • ①と②を比較する:左右の歩幅、軸、上体、音楽性の差を確認する。
  • 教授法差を認める:右足のクペ位置、腕、エポールマンを唯一の形に固定しない。
  • 痛みを我慢させない:床、靴、歩幅、テンポ、疲労、ターンアウトを見直す。

よくある質問

パ・バランセ②とは何ですか?
3拍子に合わせて前後左右へ揺れるパ・バランセのうち、左脚から前方・後方へ動き始めるパターンです。左前では左脚へ踏み込み、右脚へ軽く体重を移して左脚へ戻ります。左後ろでは同じ3歩を後方へ行います。
パ・バランセ①との違いは何ですか?
①と②はバランセの原理が異なるのではなく、練習を始める脚と方向を分けた動画です。②は左脚から前後へ動くパターンとして整理されています。左右どちらでも同じ体重移動と音楽性を保つことが目的です。
左前の足順はどうなりますか?
左脚を前へ出してプリエで踏み込み、右脚を左脚の後ろまたはクペ付近へ置いてドゥミ・ポワントに立ち、左脚へ戻ってプリエします。教授法により右足の置き方や交差の深さは異なります。
左後ろの足順はどうなりますか?
左脚を後方へ出してプリエで踏み込み、右脚を左脚の前またはクペ付近へ置いてドゥミ・ポワントに立ち、左脚へ戻ってプリエします。上体と視線も後方への移動に合わせて運びます。
バランセは必ず3拍子で行いますか?
ワルツなどの3拍子で行うことが最も一般的です。ただし振付によって6/8拍子や別の拍節へ配置されることもあります。基本は、長い第1歩と軽い第2・第3歩による3つの体重移動です。
バランセのフランス語の意味は何ですか?
balancéはbalancerに由来し、「揺れた」「釣り合いの取れた」「均衡の取れた」という意味があります。バレエでは、一方の足からもう一方へ体重を移しながら、下・上・下の柔らかな揺れを作ります。
2歩目はどこに置きますか?
前へ進む場合は、反対脚を最初の脚の後ろ側または後ろのクペ付近へ置く形が一般的です。後ろへ進む場合は前側へ置きます。足の正確な位置は教授法と振付に従ってください。
上体はどのように揺らしますか?
第1歩の方向へ胸郭と腕を柔らかく運び、第2・第3歩で中央へ戻します。肩だけを振ったり、腰から折れたりせず、プリエ、骨盤の移動、胸郭、腕、頭を一つの曲線として使います。
バランセとパ・ドゥ・ワルツは同じですか?
非常に近い3歩のステップですが、完全な同義とは限りません。古典技術辞典はバランセをパ・ドゥ・ヴァルスに似た揺れのあるステップと説明しています。足の交差、移動距離、上体、用途は教授法や振付で異なります。
足首や膝に痛みがある場合も続けてよいですか?
痛みを我慢して続けないでください。プリエで膝と足先がずれる、ドゥミ・ポワントで足首が倒れる、後方へ進む際に足を床へ固定してねじる場合は負担が増えます。症状が続く場合は医療専門職へ相談してください。

海外参考文献・公式資料

本記事は、ご提示いただいた動画説明、既存のバレエジャポン動画事典、バレエTV、海外の古典技術辞典、フランス語の公的辞書、IADMS資料を中心に構成しています。第2歩の足位置、腕、上体、エポールマンには教授法差があります。

  1. 既存ページバレエジャポン「パ・バランセ②」 — 公開日、動画ID、モデル・監修を確認。
  2. 公式動画バレエTV「パ・バランセ②」 — 左前後の実演パターン。
  3. 古典技術辞典Gail Grant, Technical Manual and Dictionary of Classical Ballet. Internet Archive全文— balancé、en avant、en arrière、de côtéなど。
  4. 歴史的仏語辞典Dictionnaire de l’Académie française, “balancé” — 身体が一方の足から他方へ揺れる舞踊ステップ。
  5. 公的仏語辞典同辞典 “balancer” — 揺らす、釣り合いを取るという語義。
  6. 足部教育IADMS, “Stretching the Point: Part 1” — ドゥミ・ポワントの足部アライメント。
  7. 膝・下肢アライメントIADMS, “Alignment of the leg and its impact on the dancer’s knee”.
  8. ターンアウトの代償IADMS, “To torque or not to torque”.
  9. 視覚・姿勢制御“Postural control of ballet dancers: a specific use of visual input for artistic purposes.”
  10. 掲載動画Vimeo動画 ID 331903862

注:「①」「②」は動画事典内の練習パターン番号です。フランス語の正式なバレエ用語ではありません。本記事では②を、ご提示の説明に基づき左前後のパターンとして整理しています。

動画・記事クレジット

動画提供バレエTV
モデル・監修神戸里奈先生
記事編集バレエジャポン編集部
参考方針公式説明・海外技術辞典・仏語辞典・IADMS

左へ動くたび、新しい釣り合いを作る

動画では左脚の方向だけでなく、左・右・左の各歩で支持脚が交換されているか、下・上・下が見えるか、左前と左後ろで上体・腕・視線が同じ音楽の波を保っているかを確認してください。

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© バレエジャポン|本記事は教育目的の一般情報であり、個別の医学的診断や治療の代わりとなるものではありません。

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