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パ・ドゥ・シゾー(回転あり) Pas de ciseaux (en tournant)

バレエ動画辞典|男性のテクニック|回転あり

パ・ドゥ・シゾー(回転あり)

Pas de ciseaux (en tournant)

パ・ドゥ・シゾーは、跳躍中に二本の脚を順に振り上げ、はさみのようにすれ違わせるパである。回転を伴う形では、この脚の入れ替わりに身体の向きの変化が加わる。脚の軌道と回転を連続させ、着地まで一つの流れとして踊ることが特徴となる。

用語情報

正式名称
Pas de ciseaux
日本語表記
パ・ドゥ・シゾー(回転あり)
フランス語表記
pas de ciseaux
このページでの補足表記
pas de ciseaux en tournant(回転を伴う形を説明するための表記)
別表記
パドゥシゾー、パ・ド・シゾー

「アン・トゥールナン」は「回転しながら」の意味を持つ。ここでは回転を伴わない形と区別するために用いる説明的な表記であり、すべての教授法で独立した正式名称として統一されていることを示すものではない。回転方向・角度・終了姿勢は振付や指導法によって異なる。

パの解説

脚のすれ違いと回転を組み合わせる

基本となるのは、一方の脚を前方へ振り上げ、続いて踏み切り脚も空中で前方へ運び、二本の脚をすれ違わせる動きである。回転を伴う場合には、その過程に身体の方向転換が加わる。脚を振り上げる動作と回転を別々に行うのではなく、両者のタイミングをそろえることが大切となる。

両脚を打ち合わせるバチュが主な特徴なのではなく、脚が前後に行き交うことが名称の由来となっている。身体が回ることだけに目を向けず、左右の脚の順番が見えるように踊る。

準備から着地まで

以下は、最初に右脚を前方へ振り上げ、左脚で踏み切る場合を例にした一般的な運動の整理である。動画内の実演の具体的な回転角度・方向を再現した手順ではない。

  1. 準備:移動方向と回転後の身体の向きを確認する。左脚を支持脚としてドゥミ・プリエし、上体と腕を踏み切りに備える。開始ポジションは振付によって異なる。
  2. 最初の脚の振り上げ:右脚を前方へ振り上げる。上体を必要以上に反らせず、身体が回転に向かう方向と脚の軌道を整える。
  3. 踏み切りと脚のすれ違い:左脚で床を押して跳躍し、左脚も続いて前方へ運ぶ。空中では両脚がはさみのようにすれ違う動きが現れる。
  4. 身体の回転:踏み切りから空中への移行に合わせて身体の向きを変える。腕・頭・体幹を協調させ、脚の入れ替わりを妨げないようにする。回転の向きや量を一つに限定しない。
  5. 着地と終了:指定された脚で床を捉え、足首・膝・股関節を協調させたプリエで着地する。基本形と同様にアラベスクへつながる構成もあるが、回転ありの振付では終了の向きやポーズが変わることがある。

回転方向と身体の軸

回転する方向は、単純に「右脚を振り上げるから右回り」と決まるものではない。開始時の身体の向き、支持脚、回転の方向、終点を組み合わせて確認する必要がある。特定のアン・ドゥオール/アン・ドゥダンや回転角度を、すべてのパ・ドゥ・シゾーに共通する要件とはしない。

空中での身体の向きを変えるときは、肩だけを先にひねるのではなく、上体と骨盤の位置関係を保ちつつ腕と視線を運ぶ。脚を大きく開くことと安定した着地の両方を考え、無理に回転量を増やさない。

踏み切り脚と着地脚

まず確認したいのは、どちらの脚で床を押し、どちらの脚に着地するかである。一般的な回転なしの説明では、最初に前方へ振り上げた脚で着地し、もう一方の脚を後ろへ運んでアラベスクにつなげる例がある。回転を加える振付では着地時の正面や脚の位置が変化するため、実際に示された組み合わせを優先する。

着地直前まで回転を追いかけて脚を床にねじ込まない。接地する足が進む方向を捉え、必要なプリエで衝撃を受け止めてから次の動作へつなげる。

安全に練習するために

最初は回転を伴わない動きで脚の順番を理解し、次に移動方向の変更や小さな方向転換を練習する。跳躍の高さや回転量を増やすのは、踏み切りから着地まで安定して行えるようになってからでよい。

膝下を無理にひねって回転を生み出さず、足先と膝の向きが過度にずれない範囲で行う。跳躍時の反りは腰だけに集中させず、上体を大きく動かす場合もコントロールを失わないようにする。

回転なしの形・類似するパとの違い

パ・ドゥ・シゾー(回転なし)

脚を順に前方へ振り上げてすれ違わせる動きが中心。基本形では、先に振り上げた脚へ着地し、反対脚を後方のアラベスクへ運ぶ。

パ・ドゥ・シゾー(回転あり)

はさみ状の脚の入れ替わりに身体の方向転換が加わる。脚の軌道、回転、着地先を一体として組み立てる。

ジュテ・アントルラセ

跳躍中の身体の回転と脚の前後の入れ替えを特徴とする。外見が似る場合もあるが、パ・ドゥ・シゾーとは脚のすれ違い方と着地への構成を区別する。

カブリオール

空中で片脚をもう一方の脚に打ち合わせる動きが特徴。シゾーでは両脚が打ち合わずにすれ違うことを基本とする。

同じように回転する跳躍でも名称を判断する際は、回転の大きさだけでなく、脚を振り上げる順序、空中での交差、踏み切り脚、着地脚、終点のポーズを確認する。

名称について

フランス語の pas は「ステップ」、ciseaux は「はさみ」を意味する。 pas de ciseauxは、脚がはさみのようにすれ違う動きを表す名称である。en tournant は「回転しながら」を意味し、ここでは回転を伴う形を分かりやすく区別するための補足として用いている。

モデル

バレエ動画辞典 モデル

吉田周平先生 (よしだ しゅうへい)

バレエダンサー・バレエ教師

福井県出身。6歳よりバレエを始める。2010年、第13回NBA全国バレエコンクール高校生男子部門第2位、2011年、全日本バレエコンクールジュニア部門総合第1位を受賞。2010年にハンガリー国立バレエアカデミーへ留学。

2012年、ルーマニア国立バレエに入団し、2014年にファースト・ソリストに昇格。『ドン・キホーテ』のバジル、バランシン振付『テーマとバリエーション』の主演などを務める。

2016年にアメリカのタルサ・バレエに移籍し、2019年にソリストに昇格。2020年にKバレエ カンパニー(現K-BALLET TOKYO)に入団し、2021年にファースト・ソリストに昇格。『くるみ割り人形』の王子、『ロミオとジュリエット』のマキューシオ、『海賊』のアリなど、数々の主要な役を踊る。

2025年8月に同団を退団し、2026年2月よりスターダンサーズ・バレエ団に所属。

Kバレエ スクール ティーチャーズ・トレーニングコース修了。全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)の資格を持ち、ダンサーとしての活動に加えてバレエ指導にも携わっている。

バレエTVでは、バレエ動画辞典の男性テクニックを中心に、さまざまなステップの実演を担当している。

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