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ダブル・トゥール・アン・レール パッセ・ドゥヴァン Double tour en l’air passe devant

バレエ動画辞典|男性のテクニック

ダブル・トゥール・アン・レール パッセ・ドゥヴァン

Double tour en l’air passe devant

ダブル・トゥール・アン・レール パッセ・ドゥヴァンは、空中で身体を2回転させる跳躍に、片脚を支持脚の前側へ通すパッセの動きを組み合わせた変化形である。通常のダブル・トゥールと共通する踏み切りや回転の軸に加え、脚を前側へ運ぶタイミングと、回転の終わり方が重要となる。

用語情報

正式名称
Double tour en l’air passe devant
日本語表記
ダブル・トゥール・アン・レール パッセ・ドゥヴァン
フランス語表記
double tour en l’air passe devant
掲載時の表記
double tour en l'air passe devant / ダブルトゥール アン レール パッセ ドゥヴァン
技術の分類
パッセの動きを伴う空中2回転の跳躍

バレエTVの「男性のテクニック」に掲載されている名称に沿った解説である。パッセの動きや終了姿勢の詳細は教授法・振付によって異なる場合があり、動画で確認できない足順、回転方向、着地の形を特定していない。

パの解説

空中での2回転と前側へのパッセ

ダブル・トゥール・アン・レールの基本は、両足で床を押して跳び上がり、空中で身体を2回転(720度)させることにある。この変化形では、さらに片脚を反対の脚の前側へ通すパッセ・ドゥヴァンを組み合わせる。脚を前へ大きく投げ出す動きとは異なり、膝を曲げた脚を身体の近くに保ち、前側の位置関係を明確にすることがポイントとなる。

「ドゥヴァン」は身体の前側という位置を示すもので、ステップ全体が前方へ移動することを意味しない。パッセという語は、脚を通過させる動作を指して用いられることがあり、その途中や終わりに見られるルティレ・ドゥヴァンの形と関連づけて理解できる。

準備姿勢と踏み切り

第五ポジションなどの準備からドゥミ・プリエに入り、上体と骨盤の向きを整える。左右の足へ無理なく荷重し、両足で床を押して上方への跳躍を生む。踏み切り前に足を床へ押し付けて捻り込んだり、脚を急いで持ち上げるために身体を片側へ倒したりしない。

パッセの形を意識するあまり、一方の足だけで跳び始めないことが大切である。まず両足から高さを得ることと、回転の軸を保つことが、脚の動きを加えるための土台になる。

脚を前に通すタイミングと身体の軸

跳躍から回転へ移る際、動脚を支持脚の前側に通してパッセの形へ導く。脚を大きく外へ振るのではなく、骨盤と胴体のまとまりを保ち、動脚の膝と足先の位置関係を整える。脚を上げる動作が早すぎたり、骨盤が傾いたりすると、跳躍の高さや回転の安定を損ないやすい。

腕は回転の軸を保ちやすい位置へまとめ、肩の高さをそろえる。視線と頭部の運びは回転の方向を把握する助けになる。空中で何回転したかだけではなく、パッセの脚がどこを通り、身体の正面がどのように定まるかを意識して見たい。

着地と終了姿勢

回転を収める局面では、床に接する脚と身体の軸を整え、プリエを使って衝撃を受け止める。パッセを伴うトゥール・アン・レールには、片脚でルティレの形に終えるものや、その後に別のポジションへ足を置くものなど、複数の構成がある。したがって、この名称だけから着地が片脚か両脚か、何番ポジションで終わるかを一律には決められない。

着地時に足首や膝を捻って向きを合わせず、回転の終わりを見越して安全に床を捉える。次のパへつなぐ場合も、着地の正確さと重心の整理が優先される。

練習で確認したい順序

  1. 通常の跳躍を確認する:第五ポジションなどからの踏み切りと、安定したプリエでの着地を整える。
  2. 回転の軸を作る:単回転のトゥール・アン・レールから始め、腕・視線・上体のまとまりを確認する。
  3. パッセ・ドゥヴァンを整理する:床上で脚を前側へ通す動きと、ルティレ・ドゥヴァンの位置を練習する。
  4. 跳躍と脚の動きを統合する:無理に2回転を急がず、踏み切り、回転、パッセ、着地のタイミングを段階的に合わせる。

高度な跳躍回転のため、疲労や床の状態を考慮し、指導者のもとで段階的に取り組むことが望ましい。

類似するパとの違い

通常のダブル・トゥール・アン・レール

空中で2回転し、基本形では脚をそろえて第五ポジションなどへ着地する。パッセ・ドゥヴァンの形では、回転に前側へ通す動脚の運びが加わる。

パッセ・デリエール

前側を示すドゥヴァンに対して、デリエールは後ろ側を示す。違いは単純な移動方向ではなく、動脚を支持脚の前側・後ろ側のどちらに通すかという位置関係にある。

ダブル・ピルエット

片脚を床につけ、ドゥミ・ポワントなどで2回転する技術。こちらは両足で跳び上がり、床から離れている間に2回転する点が異なる。

ルティレ・ドゥヴァン

曲げた動脚の足先を支持脚の膝の前側近くに置く位置を指す。パッセは脚を通す動作の呼び名として用いられる場合もあり、両者は密接に関連するが、常に完全な同義語とは限らない。

名称について

フランス語の double は「2回の」、tour は「回転」、 en l’airは「空中で」、devant は「前に・前側に」を意味する。passe は「通過した」という意味を持ち、バレエでは脚を通す動きを表す語として使われる。

バレエTVでの掲載表記は double tour en l'air passe devant。本稿ではフランス語表記のアクセントを補い、 double tour en l’air passe devantとした。これは掲載作品を区別する呼び名であり、流派を超えた唯一の正式名称と断定するものではない。

モデル

バレエ動画辞典 モデル

吉田周平先生 (よしだ しゅうへい)

バレエダンサー・バレエ教師

福井県出身。6歳よりバレエを始める。2010年、第13回NBA全国バレエコンクール高校生男子部門第2位、2011年、全日本バレエコンクールジュニア部門総合第1位を受賞。2010年にハンガリー国立バレエアカデミーへ留学。

2012年、ルーマニア国立バレエに入団し、2014年にファースト・ソリストに昇格。『ドン・キホーテ』のバジル、バランシン振付『テーマとバリエーション』の主演などを務める。

2016年にアメリカのタルサ・バレエに移籍し、2019年にソリストに昇格。2020年にKバレエ カンパニー(現K-BALLET TOKYO)に入団し、2021年にファースト・ソリストに昇格。『くるみ割り人形』の王子、『ロミオとジュリエット』のマキューシオ、『海賊』のアリなど、数々の主要な役を踊る。

2025年8月に同団を退団し、2026年2月よりスターダンサーズ・バレエ団に所属。

Kバレエ スクール ティーチャーズ・トレーニングコース修了。全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)の資格を持ち、ダンサーとしての活動に加えてバレエ指導にも携わっている。

バレエTVでは、バレエ動画辞典の男性テクニックを中心に、さまざまなステップの実演を担当している。

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